スパボ一括セール ~毎月の基本使用料が0円になる携帯電話~

ソフトバンクの端末ローン販売が始まったとき
それに関する落とし穴の可能性について書いた。

だが、あれから2年。
他の各社も端末ローン販売を追随することにより周知され、
もはや「予期せぬ」高額請求の罠という性質ではなくなった。
つまり、紛失や故障に関する保険サービスを加入していなければ、
6万円7万円といった高額請求(ローン残高請求)は常識となった。

もはや携帯電話業界で常識となった端末ローン販売だが、
ソフトバンクは独自に提供するローン肩代り(特別割引)がある。
(現在は特別割引は「月月割」と名称を変更している)
今回紹介するのはその特別割引を逆手に取った新規加入&MNPを優遇する販売策である。

分かりやすく簡単な結論だけ先に書くとする。

「最初に1~2万円で端末(携帯電話本体)を購入すれば、
 なぜか2年間で3~8万円分の通信料(月々の基本使用料等)が無料となる。
 つまり2年間は月々の基本使用料をほぼ0円とすることが可能。」

信じられないことだがもう半年以上もこの異常な販売手法がなされている。
これは通称『スパボ一括売り』(別名『7円ケータイ』)とも呼ばれる。

これはネットメディアにも取り上げられた。

日経ITニュース【月額7円で携帯が持てる「スパボ一括9800円」が生まれたワケ】
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000013092007
ケータイWatch【ソフトバンク携帯「スパボ一括9,800円」の仕組み】
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/36381.html



既にネットメディアによって取り上げられてはいるが、
少しややこしい販売手法のために説明サイトは多いに越したことはない。
当サイトは分かりやすさを重視して解説することにする。

順を追って説明する。

現在、端末(携帯本体)は割賦(ローン)で買うことができる。
例えば、端末7万円を2年かけて買うとする。
毎月の通信料(基本使用料+通話料等の利用金額の合計)に
端末ローンとして月2900円(2900円×24≒7万円)を追加で支払う。

ご存知のとおりソフトバンクはそのローンの一部を肩代わりしてくれる。
それがスーパーボーナスの特別割引というシステム。
2年間使い続けることを条件に割賦金の支払いを一部or全額免除するのだ。
例えば7万円の機種なら端末ローンのうち月2000円くらいを肩代わりしてくれる。
2年間使い切れば2000円×24ヶ月=48000円ほどソフトバンクが肩代わりして、
7万円の価格が21600円{(2900-2000)×24ヶ月}になり毎月900円の支払いで済む。

肩代わりしてくれる金額は端末のランクによって決まっている。
おおまかに分けて以下のとおり。
・8万円以上の定価だとだいたい月2200円(52800円分)
・5~8万円の定価だとだいたい月2000円(48000円分)
・5万円以下の定価だとだいたい月1300円(31200円分)

従って端末定価が48000円や31200円に近ければ全額肩代わりしてくれるケースもある。
例えば東芝の822Tであれば端末定価は42720円であり全額肩代わりのケースとなる。
{定価42720円(割賦月額1780円×24ヶ月)-特別割引42720円(特別割引1780円×24ヶ月)}
余談だがこの822Tは防水機能付きで唯一の全額肩代わり機種なので人気がある。


ここで一つ疑問が出てくる。
端末はローン販売だけではない。
当然、一括で5万円なり8万円なり出して購入することができる。
ならば一括購入した場合、この肩代わりに相当するものはないのだろうか?
もし端末を一括購入した場合にそのようなサービスがないとすれば
一括購入とローン購入との間に著しい格差が生じてしまう。
そこでソフトバンクは一括で購入した場合も同等の割引を行うことにした。
とはいえ既に一括で端末代金は全額払ってしまっているので
端末に関する金額から割り引きをするというのは不可能である。
そこで毎月の通信料(基本使用料等の使用料)から同額を金額を引くことにした。
これで一括購入とローン購入の差はなくなる。

具体的に数字で表すと以下の通り。
■設定<端末価格7万円、特別割引2000円/月、通信料2000円/月>

①割賦(ローン)購入
端末 21600円{24ヶ月×(2900円-特別割引2000円)}
通信料 2000円×24ヶ月=48000円
⇒2年間総額 69600円

②一括購入
端末 70000円
通信料 0円{(2000円-特別割引2000円)×24ヶ月}
⇒2年間総額 70000円


ローン購入と一括購入。
どちらを選んでも差はない。
これが原則である。
ソフトバンクショップではどちらかを選択することになる。


だが今年に入っておかしな動きが出てきた。
家電量販店等で一括購入価格が定価より安く売られるケースが出てきたのだ。
そんなことをされてはローン購入と差が出てきてしまう。
ローン購入はソフトバンク定価を基準に割賦するからだ。

それだけではない。さらに大きな問題が生じてくる。
一括購入の場合の特別割引額は前述したとおり、
端末の定価ランクごとに設定金額が決まっている。
つまり家電量販店等が勝手に一括購入の端末金額を下げてしまったことと
ソフトバンクが端末定価に応じて特別割引することは別次元の話なのだ。

具体的に言えば、
家電量販店等で7万円の端末を15000円で買ったとしても、
ソフトバンクの毎月2000円の特別割引は付いてきてしまうのかどうか。
これが付いてきてしまうのだ。
つまり家電量販店等の端末割引とソフトバンクの特別割引は完全別次元なのだ。

すると前述した②がこのようになる。
②-1 一括購入
端末 15000円
通信料 0円{(2000円-特別割引2000円)×24ヶ月}
⇒2年間総額 15000円


もう端末だけの支払いしかない。
二年間の基本使用料が0円になってしまった。

もちろん一括購入だから割賦(ローン)ではないので2年縛りもない。
当然に違約金という概念自体ない。
(ただし2年経つと特別割引のサービスが終了するから、
0円で終わらせたいのであれば2年目に解約をする必要はある。)

まともにソフトバンクショップで新規購入する人間がバカをみるようなものである。

なぜこのようなことが起きているのか。
もちろん正規のソフトバンクショップで探してもこのようなセールはない。
家電量販店や携帯ショップのソフトバンクコーナーにだけに存在するのだ。
仮に正規のソフトバンクショップの店員さんにこのことを質問しても
「うちではやっていないので量販店で聞いてください」とはぐらかされる。

いわば知ってる人間だけが得をするという裏サービスなのだ。
昨今のソフトバンクの加入者増を支えているのは実はこのようなものだったりする。
既に国内の携帯電話市場は飽和状態。新規加入者増は見込めない。
ならば他社からパイを奪いとるしかない。それがナンバーポータビリティ(MNP)。
だがそれすらも実際はあまり効果はなかった。ほどんど契約移動はなかったのだ。
今世紀に入り2位のauに大きく水をあけられたままの国内3位のソフトバンク。
1~21時の通話無料など明らかな優遇制度をしてもシェアはあまり変化なかった。
もう加入者が増える可能性はないのか。

発想の転換。
そもそもなぜ携帯電話市場が飽和状態なのかといえば
既に国民の大半に携帯電話が行き渡ってしまったから。
だがこれは一人一台を大きな前提としている。
もし一人が二台三台と契約することになれば増加の余地があるではないか。
ならば一人が二台三台を持ちやすい販売システムを作ればいい。
そして生まれたのが『スパボ一括売り』。
加入者の増加のためならここまでやるかというくらいに
新規加入者とナンバーポータビリティを優遇する販売方法。
もはや狂気の沙汰としか思えないが現実に行われている。


以下は実際の販売例。

■スタンダードなタイプはスパボ一括9800円。
定価30000万円前後(特別割引1300円/月)の端末を9800円で販売する。
基本使用料を基本プラン(ホワイトプランS!ベーシック)に設定すれば、
月額1295円なので特別割引1300円以内に収まるので毎月タダになる。
1~21時通話無料のタダ友ケータイはこれがベスト。
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■高級機種タイプはスパボ一括15000円~
定価70000万円前後(特別割引1800円/月~)の端末を15000円~で販売する。
特別割引額が2000円前後と高額なのでプラン設定のバリエーションが増える。
他社とのメールやwebが多い人はパケ放題(+980円~)を追加したり、
他社通話が多い人はWホワイト(+980円)を追加することもできる。
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販売パターンは家電量販店により様々。


※注意すべき点

①契約に際しては運転免許証等の身分証が必要である。
 加えて、銀行引き落としの場合は口座情報と通帳印、
 クレジットカード引き落としの場合はカードが必要となる。

①特別割引の24ヶ月間は3ヶ月目から27ヶ月目まで。
 したがって最初の2ヶ月は基本使用料かかる。
 (これを1ヶ月に短縮させる方法は後述のテクニック①を参照)

②新規加入の場合は事務手数料2835円かかる。
 なおMNP(他社からの移行)の場合は事務手数料はかからない。

③基本的にスパボ一括セールは販売条件として複数のオプションが付いている。
 基本プラン(ホワイトプランS!ベーシック)以外に、
 (1)Wホワイト(980円)
 (2)パケ放題(980円~)
 (3)基本オプションパック(498円)
 (4)安心パック(498円)

 以上の4つのオプションがついてくる場合がほとんど。
 購入店によっては最初の二ヶ月はオプションを外せない場合もあり注意が必要だが、
 たいていはその縛りがないので翌日にソフトバンクショップに行けば外すことができる。
 月額タダ(通信料を特別割引額以内)にするためにはオプションを外す必要がある。
 ・Wホワイトは他社への通話料金が半額になるプランだが、
  タダ友(1~21時の通話無料)目的ならば外しても問題ない。
 ・パケ放題はメールやweb多い人は付けるべきではあるが、
  同じくタダ友が目的の人ならば外しても問題はない。
 ・基本オプションパックは紛失時サービス等がメイン。特に必要はない。
 ・安心パック(故障時の保険)は必要ない。
  破壊や故障してもローンではないので最初に払った購入額を諦めるだけで済む。
  なお1年間は携帯端末そのもののメーカー保証もある。


※テクニック

①ソフトバンクの月計算の起点は締め日(10日と20日と月末の三通り)
 締め日の前日に契約すれば翌日から契約二ヶ月目になるので
 特別割引が開始する三ヶ月目を実質二ヶ月目にすることが可能。
 締め日は支払い方法によって異なり詳しくは販売員に聞いて欲しいが、
 スパボ一括セール期間を逃さないように注意。

②恋人等同士で携帯電話を持つのであれば家族回線にするとよい。
 あまり大きな声では言えないが実務上は請求先を一つにまとめさえすれば、
 自分が持つ二台目以降の携帯電話を家族回線にすることが可能である。
 家族回線にすればタダ友のような時間制限はなく24時間通話無料になる。
 二台目を恋人等のよく通話する相手に渡せば無料携帯が完成する。
 さらに現在は家族回線とMNPの加入は5千円のキャッシュバックがある。
 2台目が必要な人はそれを家族回線にしてしまえばさらに5千円返ってくる。


以上で全ての解説は終了である。
某SNS内で紹介したところ何人かの方に詳しい説明を求められたのでここに記すことにした。

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