「mixi」の抱える問題点と見込まれ過ぎの株価

YAHOO、google、楽天など・・・
既存のネットワーキングサービスに割って入る存在として
鳴り物入りで登場した次世代のITサービスSNSの最大手「mixi」。

そのmixiが2006年9月4日に東証マザーズの上場した。

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキングサービスのことで、
『参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げる
 ことを目的に開設されたコミュニティ型のWebサイト』である。
(IT用語辞典 e-Wordsより)

実質的な側面から簡単に言えば、
“実社会の人間関係システムをインターネットに持ち込んだモノ”

インターネットという開かれた大規模コミュニティの中で、
お互い認めた者同士の閉じた小規模コミュニティを構築する。

不特定人の関与を抑制することにより、
インターネットのマイナス側面を排除し、
インターネット活動に健全性をもたらすことが最大の目的。

確かに、完全匿名者が跋扈するインターネットというものが
一体どこに行き着くのかということは、
巨大匿名掲示板(2ちゃんねるなど)を見れば分かる。
そこにあるのは人々の隠された悪意の吹き溜まり。
友好なコミュニケーションが簡単に排除されうる世界。
小さな悪意が大量に集結し、巨大な破壊活動を行うことも多々ある。
名誉毀損、侮辱、威力業務妨害・・・
現実問題、抑止する手段はなくほぼ無法地帯である。
個人サイトなどが目を付けられたら、個人情報を一瞬のうちに暴露され、
サイト運営からの撤退をやむなくされるのは時間の問題である。

このような現状を目の当たりにすると、
インターネットにライフワークや生活基盤を求める者
にとっては不安で不安でしょうがない。

また、従来、情報の受け手という側面が通常であった一般人が、
ブログなどの発達により情報の送り手側に転換されたというのも大きい。
他人の批判ばかりしていた者も、いざ批判に晒される側にまわると
その想像以上の苦痛をリアルに感じるに至った。

結果、平穏なインターネット活動を求める者たちが増え、
それが健全性を売りにするSNSと結びつき、爆発的な人気を得るに至る。

その意味で、
SNSサービスのシェア86%という
驚異的な独占率を誇る『mixi』が、次世代インターネットサービス
を担う最有力候補として、注目されているというのはわかる。

1株155万円程度で売り出されたmixi株は瞬く間に上昇し、
初日に300万円超えという驚異的な値をつけた。

投資家の心理としては、過去のYAHOO株やライブドア株の例を想像し、
IT成長株特有の爆発的急成長に乗ろうと画策しているところだろうと思われる。


だが、この点、
mixiに関しては二側面から警鐘を鳴らしたい。


①「健全性」

mixiの最大のウリは健全性である。
健全性が失われたら存在価値がゼロになると言っても過言ではない。
運営サイドはその意識が少し甘いのではないかと思う。

健全性を担保するシステムは、
「招待制度」と「ホーム」のふたつ。

「招待制度」とは、部外者がmixi参加をするためには
既にmixiに参加している者からの招待が必要だという制度のこと。
既に参加している者が参加希望者のメールアドレスに
所定の招待メールを送ることにより、招待となる。
招待メールが来た参加希望者は、メールの書かれたURLから
入会手続きをすることにより、晴れてmixi参加が可能となる。
mixi住人になると一人一人に「ホーム」ページが与えられ、
そこに自分のプロフィールや日記などを書くことにより、
健全活動をアピールすることができる。

ここで最大の問題なのは、
招待メールを送るメールアドレスは、
プロバイダ発行のメールアドレスだけではなく、
フリー(無料)のメールアドレスでも可能だと言う事。

プロバイダ発行のメールアドレスに関しては、
毎月の料金支払いの問題もあるから、
架空の住所氏名で契約し、料金支払いをすることは考え難い。
従って、いざとなったら個人情報照会の可能であり、
一定の健全性は確保できる。
しかし、フリーのメールアドレスは違う。
所詮が無料サービスのため、
登録の際、個人情報をいくらでも誤魔化すことができる。
インターネット上の違法活動におけるメール送受信の
ほぼ全てにフリーメールアドレスが使用されていると言っていい。
従って、大手企業や銀行などの各種厳格な手続きにおいては、
フリーメールでの登録禁止は既に常識となっている。

だが、mixiでは許されている。

結果、いわゆる招待状のばら撒きが発生している。
某匿名掲示板などでは、メールアドレスを掲示板に記載すれば
匿名の誰かがmixiに招待してくれる。

インターネットカフェなどのパソコンを使用し、
偽りの個人情報でフリーメールを取得した後、
匿名掲示板などのmixi紹介人を介してmixiに入会すれば、
完全匿名のmixi住民となることが可能となってしまう。

mixiは現在500万人を超える勢いで会員を伸ばしているが、
このような虚偽登録の他、多重登録や活動休止中のIDを除けば、
一体どれくらいの(mixiが想定する)健全な住人がいるのか定かではない。

実際、mixiの内部におけるサークル活動(コミュニティ)では、
出会い系サイトに近いモノも非常に多い。
有名人でもないのに友人の数が1000人を超える者も多い。

数年前からmixi活動を続けてきた古株の中では、
ここ数年で人数が爆発的に増加してから風紀が悪くなったと感じる者も多い。
昔のmixiは大人の隠れ家的なイメージだったが、
今ではとても大人が中心のコミュニティとは思えないくらいの、
まるで大学サークルのような雰囲気である。

今はまだ、mixiが原因の社会的な大事件は起きてはいないが、
もし今後、mixi内でネズミ講や出会い系トラブルなどの事件が
起きてしまったら、健全コミュニティという評判は崩壊する。
そうなれば、企業からの広告収入が主な収益を占めるmixiの経営は
一気に悪化するだろう。

ちなみに既にmixi内でネズミ講は発生しており、警告を促す記事も存在する。

会社価値の売り込みも大事だが、
健全なコミュニティが完全に虚像にならないよう
まずは足元から固めることが大事である。


②「mixi市場」

mixiは、営業利益9億円に対し、時価総額は1000億円という
IT新興企業にありがちな非常にバランスの悪い企業である。

そもそも公称500万人のmixi住民による経済効果はあるのだろうか。
mixiを利用した商売は、今いろいろな企業が模索しているところである。
特に広告などに関するmixi内の情報伝達能力が一体どれくらいあるのか。
それは皆が知りたがっている情報だろうと思われる。

この点、最大に考慮しなくてならないのは、
mixi住人はいったい何のためにmixiで活動しているのか?
ということである。
彼らはmixi内の知人との健全なコミュニケーションを求めているのであり、
何か特別なサービスを求めている訳ではない。

更に言うならば、
mixi活動を構成する大半の要素は、
「日記作成」と「他の日記へのコメント書き込み」である。

mixiは原則として
“個々人がホーム(ページ)をベースに活動拠点を広げる”
というタイプのコミュニティである。
言い換えるなら、
ホームという肩書きをもったmixi用擬似人格が、
個性(他人との個別性)を主張しながら活動する場である。

日記に対するスタンスもブログとは異なる。
ブログ日記へのコメントでは、原則匿名性を主張しながら書き込むので
一方向型とならざるを得ないが、
mixi日記コメントでは、他の誰でもなく自分が書いたと自己の個別性を
主張しながら書き込むので、どうしても双方向型となる。
(書き込み者に自ホーム誘導リンクが貼られる)
コメントをもらったらコメントを返す。
過去にコメントをもらったから、コメントをする。
この繰り返しでコミュニケーションがとられていく。
結局、SNSなどと大げさな話をしたところで、
実際は、日記など掲示板内でコメントをし合う活動しかしていないのが現状。

これは、彼らを束ねようとする者からみたら非常に厄介である。
何かのメッセージを彼らに放ったところで、
彼らは、自身のmixi活動(日記作成とコメント記述など)で精一杯。
外部リンクに飛んで、他の活動をする余裕なんてものは全然ない。
仮にどこかの企業がmixiを利用して、住民を誘導するという
作戦に出てもおそらく失敗に終わるだろう。
そもそも各々が個々で小規模コミュニティを築いているので、
住民が集団化しにくいという土壌がある。
匿名掲示板や一般ブログと異なり、
mixi内では、偶像・アイドルはもちろんのこと、
流行そのものも生まれにくいのではないか。

コミュニケーションを重視するということは、
不特定多数の一ではなく、極限まで個を主張するということである。
個々人間でしかメッセージが伝わらないような社会基盤で、
大量消費の商売をすることは困難である。
この点は、市場としてかなりマイナス点だと思われる。

ただし、もちろんこれは健全なmixi活動を行っている者の話である。
別の目的でmixiにログインする者たちはこの限りでない。
出会い系やネズミ講など本来の目的から外れた住民たちは
集団化する余地がある。



以上を考慮した感じでは、

mixiの企業評価に関しては、先行き不透明としか言いようがない。

1株300万円はあまりに見込まれすぎの感が否めない。

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